ナンバープレート出張封印手続きの基礎知識と利用方法

自動車の名義変更や図柄入りナンバープレート取得・取付の際など、ナンバープレートを交換する場合に必須の「封印取付」。

通常は地方運輸局、地方運輸支局などにおいて封印取付受託者によって行われる封印取付を、自宅や会社などで行うことができる「出張封印」の概要と、利用するメリットをご紹介します。

注)福井運輸支局、ナンバープレートセンターで申請・手続を行った場合の事例です。

目次

ナンバープレートの封印とは

封印とは

ナンバープレートの封印は、自動車後面のナンバープレート(自動車登録番号標)が固定されてる上部2本の留め具の「左側」に取り付けられているキャップのようなものです。自動車登録を行った都道府県の頭文字が刻印されています。
ちなみに軽自動車は自動車登録が不要なので封印はありません。

関係法令
道路運送車両法第11条、道路運送車両法施行規則第7条、同第8条、同第8条の2

ナンバープレート封印
封印(福井)

封印の意義

封印は、取り付けられている自動車の登録の有効性を保証するものです。

ナンバープレートの封印を外すためには刻印面を破壊しなければなりません。
そのため封印がされていないナンバープレート、または刻印面が破壊された封印が取り付けられているナンバープレートは、違法に取り替えれられたと疑われる可能性があります。

いたずらや事故などで封印が破壊されてしまったときは、速やかにお近くの運輸支局や自動車ディーラーなどに行って新しい封印を取り付けてもらう必要があります。

封印を取り外した場合(整備のため、やむを得ない事由がある場合を除く):六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金(道路運送車両法第108条)
封印を取り付けないままでいた場合:五十万円以下の罰金(道路運送車両法第109条)

簡単な手続は必要ですが手数料は数十円で済むので、封印が取れている自動車に乗っている方は今すぐに取り付けてもらいましょう。

封印取付受託者とは

封印は、ペットボトルのキャップみたいな部品を後面ナンバープレートの左側の留め具(ネジ)にパチっとはめ込むだけなので、作業自体はとても簡単です。

しかし、封印の取付に対する罰則が定められているとおり、車体番号とナンバープレートによる自動車の管理システムにおいて封印の存在は非常に重要です。

そのため、封印の取付は、国土交通大臣または道路運送車両法第28条の3第1項による委託を受けた「封印取付受託者」しか行うことができません。

関係法令等
道路運送車両法第11条、道路運送車両法第28条の3第1項、道路運送車両法施行規則第13条、封印取付委託要領(通達)、封印取付け委託要領の運用等(通達)

封印取付受託者の種類

封印取付受託者は、事業形態や委託範囲によって、「甲種」「乙種」「丙種」「丁種」の4種類に分かれています。

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種別受託者の事業形態委託範囲再委託の範囲(再受託者の事業形態)
甲種ナンバープレートの交付代行者全ての手続日本輸入自動車組合の輸入車ディーラー
丙種以外の指定整備事業者
各都道府県の行政書士会に所属する自動車登録業務に十分精通した行政書士
優良自動車整備事業者
乙種型式指定車の新車販売業者・自ら販売する自動車に係る新規登録
・変更、移転登録
・再交付、交換、再封印
自販連
各都道府県の行政書士会に所属する自動車登録業務に十分精通した行政書士
丙種各都道府県の中古車販売協会・構成員自ら販売する自動車に係る新規登録
・変更、移転登録
・再交付、交換、再封印
各都道府県の中古車販売協会の構成員たる中古車販売業者
(上記から再々委託を受けた)各都道府県の行政書士会に所属する自動車登録業務に十分精通した行政書士
丁種各都道府県の行政書士会・新規・変更・移転登録(乙種及び丙種の委託範囲に係るものを除く)
・再交付、交換、再封印
各都道府県の行政書士会に所属する自動車登録業務に十分精通した行政書士

(国土交通省参考資料「封印委託の拡大について」より作成)
ざっくり言うと、

甲種」は陸運支局内でナンバープレート関連の業務を行っている担当部署や担当官など、
乙種」は新車販売業者、
甲種」は中古車販売業者、
丁種」は各都道府県の行政書士会、

ということになります。
これら4種類の受託者から整備事業者や行政書士が「再委託」を受けて封印取付を行っています

封印取付受託者としての行政書士

行政書士(自動車登録業務に十分精通した行政書士に限る)は、甲種、乙種、丙種の封印取付受託者からの再委託により封印取付を行うことができるほか、丁種受託者である都道府県行政書士会から再委託された再受託者として封印取付が可能です。

丁種受託者は「封印取付け委託要領第2条第5項」に次のように定義されています。

対象となる自動車
丁種受託者からの再受託者たる行政書士が、運輸監理部、運輸支局又は自動車検査登録事務所(内閣府沖縄総合事務局にあっては、陸運事務所、宮古運輸事務所又は八重山運輸事務所。以下「運輸支局等」という。)に提出する書類を作成した自動車
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必要とされる委託内容
当該自動車(乙種受託者及び丙種受託者の構成員の販売する自動車を除く。以下、本号イにおいて同じ。)の提示に代えて、予備検証、保安基準適合証等の提出により新規登録を受ける場合→ 自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会) の会員(新車ディーラーなど)の販売に関わる新規登録はできない
→ 中販連(一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会)の会員(中古車ディーラーなど)の販売に関わる新規登録はできない
→ 以上から、自販連、中販連の会員以外のディーラー、中古車販売店の販売に関わる新規登録(保安基準適合証のあるもの)は可能
→ 予備検査(車検が切れてナンバープレートがない自動車を再び車検に通すこと)後の新規登録
当該自動車に係る変更登録又は移転登録を受ける場合(車両法第14条第1項の規定により当該自動車の登録番号が変更されるもの(自動車登録令(昭和26年政令第256号)第40条による提示をしたものを除く。)に限る。)→ 自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会) の会員(新車ディーラーなど)の販売に関わる変更登録、移転登録はできない
→ 中販連(一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会)の会員(中古車ディーラーなど)の販売に関わる変更登録、移転登録はできない
→ 以上から、自販連、中販連の会員以外のディーラー、中古車販売店の販売に関わる変更登録、移転登録は可能
→ 予備検査(車検が切れてナンバープレートがない自動車を再び車検に通すこと)後の変更登録、移転登録
→ 自動車の個人間売買(ネットオークションなども)で変更登録、移転登録する場合
→ 引越しなどで自動車の登録地を変更する場合(福井県ナンバーを取得する場合に限る)
車両法第11条第2項(自動車登録令第43条の規定に係る場合を含む。)又は第4項若しくは第6項(管轄区域内に限る。)の規定による封印の取付けが必要な場合→ 再封印(封印が壊れてしまった場合など)
→ 再交付(ナンバープレートが破損してしまった場合など)
→ 交換(地方版図柄入りナンバープレートへの交換など)

(国土交通省「封印取付委託要領」の一部改正について(H29年2月28日)をベースに作成)

注)字光式ナンバープレートは封印取付ができません(電気系統の処理が必要になるため)

以上の新規登録、変更登録、移転登録、再封印、ナンバープレート交換などに伴う封印は、行政書士が独自で(行政書士会からの再委託を受けた丁種封印取付受託者というかたちで)行うことができます。

封印取付の流れ

ナンバープレートと車体番号を確認後、封印キャップを後面左上の留め具(封印の台座)にはめる。
以上です。
簡単ですが、何度も言うように封印取付受託者しかできません。

地方版図柄入りナンバープレートの取得の手順と合わせて、こちらのページでも紹介しています。

封印取付する場所

封印が可能な場所は、封印取付受託者の種類によって制限があります。
(以下主な封印可能場所)

甲種:運輸監理部、運輸支局又は自動車検査登録事務所の所在地の近接地
乙種:新車販売店など
丙種:中古車販売店など
丁種:行政書士の事務所など

封印取付ができない個人の方が自分で行おうとする場合は、運輸支局等に持ち込むことになります。

このほか出張封印という、自動車の保管場所(自宅の車庫や会社の駐車場など)で車を移動させることなく封印をすることができる便利な仕組みがあります。

出張封印とは

出張封印とは、封印取付を自動車の保管場所(自宅の車庫や会社の駐車場など)で行うことです。

(5)出張封印方式
受託者(乙種受託者又は丙種受託者は、使用者の住所変更による変更登録及び車両法第11条第2項(自動車登録令43条の規定に係る場合を含む。)又は第4項若しくは第6項(管轄区域内に限る。)の規定による封印の取付けが必要な場合に限る。)は、(2)から(4)までに加え、事業場等への自動車の持ち込みによる申請者の負担の軽減を図るため、封印の取付けを対象となる自動車の保管場所(自動車の保管場所の確保等に関する法律(以下「車庫法」という。)第3条の保管場所を言う。以下同じ。)等において行うことが出来るものとする。
この場合、受託者は、封印取付け責任者により適正な業務運営が確保されるよう措置するとともに、当該出張封印に係る登録申請又は交換申請時等に封印受託者名、出張封印を行おうとする自動車の車台番号、出張封印の希望、自動車登録番号標の返納方法等を記載した書面を運輸支局等に提出し、確認を受け、かつ、施封後は、取り外した自動車登録番号標を遅滞なく交付代行者に返納等しなければならない
(引用:封印取付け委託要領第4条第5項)

出張封印のメリット

出張封印の主なメリットは次のとおり。

出張封印のメリット
  1. 大切な愛車を他人に運転させる必要がないので安心
  2. 陸送代、ガソリン代が不要
  3. 社用車など多くの封印作業が必要な場合でも、一箇所でまとめて封印取付を行うことができる
  4. 都合のよい日時にナンバープレートの交換、封印を行うことができる
  5. 旧ナンバープレートは交換、封印後に返納すればいいので、封印直前まで自動車を使用できる

陸運支局が開いていない休日にしか時間が取れない方や、独立系の中古車販売店、一度に何台も変更する必要がある営業車がある会社にはとても便利な制度ですね。

出張封印できない場合

便利な出張封印ですが、条件によってできない場合があります。

出張封印できない場合
  • 字光式ナンバープレート
  • ナンバープレートの取付けネジが錆びていて留め具がきちんと締まらない場合
  • ナンバープレートの取り付けネジが、いたずら防止ネジや特殊ネジなどの場合
  • 車体番号の確認が困難な自動車の場合(外車など)

ご依頼の際は、出張封印可能かどうか事前に確認させていただくことになります。

出張封印ができる行政書士

出張封印が可能な行政書士(丁種封印受託者の場合)の条件は次のとおり。

出張封印ができる行政書士
  1. 丁種受託者である各都道府県行政書士会の認定を受けている
  2. 自動車登録手続きに十分精通している
  3. 行政書士賠償責任補償制度による封印取付業務が対象の損害保険に加入している

当事務所は以上の条件を満たしていますので、安心してご依頼いただくことができます。

登録~出張封印ノンストップサービス

当事務所では、丁種封印取付受託者として「登録(新規、変更、移転)」から「出張封印」までノンストップでご依頼を遂行することができます。
(注:丁種封印取付受託者の取扱範囲に限ります)

ご利用の流れ

STEP
メールでご相談受付

まずはメールにてご相談ください
登録の種類、再封印、地方版図柄入りナンバープレートへの交換など希望する内容、対象となる自動車の車検証の写真を添付してください

STEP
調査

登録手続きや出張封印が可能かどうか調査し、可能であれば必要な書類をお送りします

STEP
必要書類の送付

書類に記入後、当事務所に送付してください

STEP
費用の振込

登録費用、報酬などを当方の指定口座に振り込んでください(後払いも可能です)

STEP
登録手続き

登録手続き

STEP
出張封印

ご指定の日時に出張封印に伺います
新しい車検証、返却書類等はこのタイミングでお渡しします

費用の目安

福井県で普通自動車の移転登録、ナンバープレート変更、出張封印を行った場合の費用の目安です。
注)保管場所変更なし

報酬等 対象地域 料金(税込)
登録手続報酬 共通 5,400円
ナンバープレート交換申込代行 共通 1,620円
出張封印報酬 共通 8,640円
交通費(福井県) 福井市 無料
坂井市、永平寺町、池田町、鯖江市 3,000円
あわら市、鯖江市、越前市、南越前町、勝山市、大野市 5,000円
上記以外 実費(高速代含)
法定手数料、費用等料金
手数料(移転)500円
ナンバープレート代(ペイント式)1,520円(注1)
希望ナンバー(ペイント式)4,200円(注1)
地方版図柄入りナンバープレート(白黒)7,400円(注1)
地方版図柄入りナンバープレート(カラー)8,400円~(注1、2)
車庫証明書取得2,600円
自動車取得税都度計算(注3)
自動車税都度計算(注4)
自動車重量税都度計算(注5)

注1)ナンバープレート1組の価格
注2)1セットあたり1,000円以上上限なしの寄付金を追加することでカラーになります
注3)課税標準基準額250万円、経過年数3年、5ナンバー車の場合、23,700円(目安、特例あり)
注4)1500ccの自動車の場合、年間39,500円(取得時の月割あり)
注5)エコカー減税などがあり一概に例示できません
こちらのサイトの自動車重量税計算ツールなどを利用してみてください)

大変便利な出張封印制度をぜひご利用ください。

地方版図柄入りナンバープレートへの交換もおすすめです。
自動車の名義変更(移転、変更など)手続と併せた交換も可能です。

ちょいプラス

出張封印の利用は、自宅にいながら名義変更やナンバープレートの交換ができるので時間節約!

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